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愛媛 / 正岡子規『寒山落木「俳句」』

Masaoka Shiki “Selected Haiku”
First published:1895
Location:Matsuyama, Ehime, Japan

作家
正岡子規

初出
1895年

病を抱えた作者の眼が捉える、秋の山や落葉の寂寥が、写生の冷静さで切り取られる俳句群。装飾や観念に逃げず、見たものの輪郭を立てることで、かえって感情が滲み出る。季節感は美しいだけでなく、衰えや孤独と直結している。短い言葉の中に、近代俳句のリアリズムと精神の陰影が同居する。

松山市 松山城・二之丸史跡庭園 

春や昔十五万石の城下哉

英訳

Spring, and the past. 150,000 koku at the castle's foot.

サマリー

句の概要と背景

この句は、子規が日清戦争の従軍記者として戦地(中国・遼東半島)へ向かう途中、故郷である愛媛県松山に立ち寄った際に詠まれました。

文脈

明治28年の春、子規は戦場へ赴くという決意と緊張感の中にありましたが、久しぶりに目にした故郷・松山は、春の日差しの中でのどかな佇まいを見せていました。 眼前に広がる城下町の風景に、かつて松山藩・松平家十五万石の城下町として栄えた頃の「昔」の記憶や歴史を重ね合わせ、その平和な美しさと、時代の移ろいに対する感慨を詠んでいます。

解説

「春や昔」という上五(かみご)の切れ字が、春という季節が呼び起こす「過去への追憶」や「懐かしさ」を強調しています。 「十五万石」とは、伊予松山藩の石高(経済力・規模)のことです。 現在は県庁所在地として近代化しつつあるけれど、この春の光景の中には、かつての封建時代の栄華や落ち着きがそのまま息づいているようだ、という、故郷に対する誇りと深い愛着が込められた一句です。

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