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沖縄 / 折口信夫『古代生活の研究』

Orikuchi Shinobu “Studies on Ancient Life”
First published:1929
Location:Yomitan, Okinawa, Japan

作家
折口信夫

初出
1929年

古代の生活や精神を、文献だけでなく祭祀、言語、伝承といった周辺資料から復元しようとする研究。制度史の説明より、人々が何を畏れ、何を祝し、世界をどう意味づけたかという感覚の層に踏み込む。断片をつなぐ推論は大胆で、学術性と文学的想像力が同居する。古代を遠い過去として閉じず、現代の生活感覚の根に触れようとする姿勢が貫かれる。

読谷村 渡具知ビーチ

常闇は時間について言ふ絶対観でなく、物処について言ふもので、絶対の暗黒と言ふ事である。

英訳

Tokoyami is not an absolute concept of eternal time, but refers to a physical domain; it signifies a realm of absolute darkness.

サマリー

引用の概要と背景

この一節は、第十章「とこよの意義」にある文章で、「常世(とこよ)」という言葉の本来の意味を探求している部分です。 折口信夫はここで、本居宣長の説を引き合いに出しながら、「常世(とこよ)」が本来は理想郷ではなく、暗闇の世界(死者の国)を指していたのではないかという論を展開しています。

文脈

折口は、「常世(とこよ)」という言葉が、後世では「富と長寿の理想郷」として定着したものの、古くは「常夜(とこよ)」、すなわち「常闇(とこやみ)の国(冥土・黄泉)」を意味していた形跡があるとしています。 本居宣長も「常世」を「常闇の国」の意と解釈していることを紹介した上で、この「常闇」という概念が何を指すのかを定義したのが、ご質問の文章です。

解説

「時間について言ふ絶対観でなく」

「永遠に続く時間」といった抽象的な時間の概念(永遠性)を指しているのではない、という意味です。

「物処(ものドコロ)について言ふもので」

具体的な「場所」や、物理的な「状態・空間」を指しているという意味です。

「絶対の暗黒と言ふ事である」

つまり「常闇」とは、「永遠の時間」のことではなく、「光が全くない真っ暗闇の状態(場所)」そのものを指す言葉であると定義しています。

古代の人々にとって、「とこよ(常夜)」とは、天照大神が岩戸に隠れた時のような、あるいは死者が赴く地下の国のような、物理的に光の差さない「絶対的な暗黒の世界」を指す具体的な言葉だったということを説明しています。

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