
ロケーション
島根県津和野町
日本各地の怪異譚を、異文化の語り手として丁寧にすくい取り、恐怖よりも哀感や余韻を重視して再話した短編集。幽霊や妖怪は単なる脅しではなく、約束、執念、因果と結びついて現れる。背景には信仰や風習の説明もあり、民俗の手触りが残る。静かな語りが、読者の想像力を長く離さない。

どこでどうしてあうか神仏だけが御存じです。
英訳
Only the Gods and the Buddhas know how and where we shall meet.
サマリー
引用文の概要と背景
この一節は、物語の冒頭、若くして不治の病(肺病)に冒されたお貞が、婚約者の長尾(長生)に最期の別れを告げる場面での言葉です。
文脈
死期を悟ったお貞は、枕元に来た長尾に対し「私たちはまた会えると思います」と告げます。 長尾がそれを「あの世(浄土)での再会」だと解釈して慰めようとすると、お貞は「いいえ」と否定し、浄土へ行く話ではないと言います。彼女は、自分が再びこの世に生まれ変わり、長尾と再会できるという強い予感を抱いており、その具体的な時や場所は「神仏だけがご存知」であると語るシーンです。
解説
「どこでどうしてあうか神仏だけが御存じです」という言葉は、単なる希望的観測ではなく、死を超えて愛を成就させようとするお貞の強い執念と確信を表しています。 通常、死別の慰めとして語られる「来世(あの世)」での再会を否定し、あえて「現世」での再会を誓うこの言葉は、物語の核心となる伏線です。この予言通り、彼女は後に別人(生まれ変わり)として長尾の前に現れ、数奇な運命を経て二人は結ばれることになります。
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